環境保護活動

(1)野生鳥獣生息調査
 奈良県からの委嘱により、地域を定めて生息鳥類とその環境を調査 しています.

(2)毎年1月中頃に全国一斉にガンカモ科の調査をしています

(3)二津野ダム湖のオシドリ
オシドリのなかまは北アメリカに生息するアメリカオシドリと,日本を含むアジア東 部に生息するオシドリの2種である.オシドリは日本では北海道,本州,九州で繁殖 し,越冬期には北方のものは南方へ,高標高のものは平地へ移動する.奈良県では近 年一部で繁殖が確認されたがごくわずかであり,私達がオシドリを観察するのはほぼ 越冬期にかぎられている.
毎年1月中頃に全国一斉にガンカモ科鳥類の渡来数調査が実施されているが過去10年 間のオシドリ調査結果によると全国の総 数は1992年以外は2万羽以下で,平均1万数千羽である.奈良県の渡来数合計が 千羽を越える年は全国の上位5位以内に入っている.そして二津野ダム湖の渡来数が 奈良県合計の80%前後となり,全国総数の5%前後となっている.これは二津 野ダム湖がオシドリの越冬地として奈良県としても,全国レベルでも大変重要な場所 であることを示している.
二津野ダム湖は十津川村の南部にあり,右岸には国道168号線が通り十津川温泉郷 や集落が続いている.しかし左岸には道路も集落もない.そしてその実がオシドリの 大好物であり越冬期の主要な食物となるシイやカシの林がおよそ200ヘクタール にわたって広がっておりダム湖の水面に接している.この静かで安全な環境と豊富な 食べ物が多数のオシドリの越冬を約束している.渡来数の少ない年はダム湖の水位が 下がっ て裸地が広くなり,林とへだてられたことや,木の実の不作の年などが原因である. 今,地元の人達の一部に二津野ダムのオシドリの越冬地としての重要性を確認し,現 在の環境を保存しようという活動が起こっている.今後奈良支部としてできる限り協 力をしていきたいと考えている.


(4)里山再生事業
日本野鳥の会奈良支部・里山再生事業 (矢田山)竹・とり・クラブ 発足 あなたも参加を!

【設立趣旨】 奈良支部の今年度総会で確認していた里山再生事業の取り組みを始めます。 その取り組みのため、今回「(矢田山)竹・とり・クラブ」を発足させることとなりました。  ご承知のとおり、私たちの身近にある雑木林、いわゆる里山といわれる森林は、戦後の 燃料革命で手入れがされなくなり、そこに竹が進入して、10年も経つと完全に竹に覆われ てしまい、多くの場所が野生動植物の生息地としては不適な場所になってしまっているのが現状です。  奈良県が「矢田山遊びの森」として整備すすめている地域においても、このような竹の 侵食地域が広がり、このまま現状放置するとさらに竹の純林が拡大すると懸念されていました。 こうした中、県から竹の伐採について協力要請がありました。権利関係が複雑な民有地に比べて、 奈良支部で取り組むについても適地であるとの判断も行い、今回協力することとなりました。 このため、担当部門の設立が、8月10日の支部企画会議で確認されました。

【名称について】 竹の伐採は環境を守るための一つの手段ですが、竹を伐採し、野鳥の生息 できる環境をつくるということで「竹・とり」・・・「(矢田山)竹・とり・クラブ」(仮称)とし、 取り組みの総称としました。これも皆さんの意見でより良い名称があれば、今後改称も可能です。

【今後の作業】 当面、竹の伐採に力点を置き、作業は月に「平日」と「日曜」それぞれ1回とします。 作業に協力していただける会員の皆さんは、下記の集合場所に集合の上、会員の車に乗り合わせて 現地へ行き、竹伐採などの作業と調査活動を行います。伐採等の経験が無くても、 様々な作業もありますので、多くの方の参加をお願いいたします。